【いさむの一言(5月21日)】 東京圏の国際競争力を強化しよう!

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都市の競争力が国の成長力を左右する

 4月から横浜市内の大学の都市計画の講座で講義をしていますが、第一回目で、都市の国際競争力をテーマにしました。世界中の政府・経済界が都市の競争力強化に高い関心を持っている中で、これからの都市計画はさまざまな角度から競争力を高める視点を重視して、施策や事業を実施していく必要があると考えます。
 世界のさまざまな機関が世界の主要都市の国際競争力ランキングを公表しています。多くの先進国では、経済のグローバル化・情報化・サービス化が進んでいますが、その結果、大都市の成長力、雇用創出力のウェイトが増大しています。一方、新興経済圏においては、商工業の発展にともない資本や労働力の都市への集中が進んでいます。将来の高い成長の達成のためには、大都市の国際競争力を強化していくことが必要になっています。

 

世界が注目する都市ランキング

 都市戦略研究所では毎年、①経済②研究・開発③文化・交流④居住、⑤環境⑥交通・アクセスの6分野で世界44都市を総合的に評価して、ランキングを発表しています。2017年のランキングは、第1位ロンドン、第2位ニューヨーク、第3位東京です。エコノミスト誌では、ビジネスのしやすさをより重視した世界120都市をランキングしていますが、第1位ニューヨーク、第2位ロンドン、第3位シンガポールであり、東京は第6位と後塵を拝しています。また、エコノミスト誌の安全度を重視したランキングでは東京が第1位となっています。その他、経済フォーラム、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)のほか、オックスフォード大学などでも都市の競争力を分析、ランキングしています。
http://mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci/index.shtml
http://diamond.jp/articles/-/17198

 

東京圏の強みは安全度、弱みは人材・政府の効率性・住環境など

 各ランキングで共通して東京圏の最大の強みは「安全度」と評価しています。治安の良さだけでなく、通信・電力等のライフラインの安定性・政府・民間の各種制度の信頼性が評価されています。一方、共通する弱みは、①グローバル対応力のある人材、②許認可や規制など政府の効率性、③住環境や災害対応力となっています。「人材」の評価が低いのは意外ですが、語学力やグローバルな環境での経験を有する人材の不足、外国人材の受入れ体制の不十分さ、雇用の流動性の低さなどが要因となっています。

 

利点を活かし、弱点を補う

 東京圏の国際競争力を高めていくためには、最大の利点である安全性や信頼性を維持、向上させていくことが最優先だと考えます。一方、弱点を補うために、外国の高度な技術や能力を持った人材や家族が仕事や生活しやすい仕組みや環境を整備していくことが重要でしょう。また、政府が進めている「特区」制度を活用した規制の改革や日本独特の制度や慣習の見直しなどが必要だと考えます。また、成長力のある経済を創出していくために、研究開発の充実やイノベーションの促進が不可欠です。