【いさむの一言(10月15日)】人口減少・少子高齢社会の社会資本の課題

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関東学院大で講義を担当

 今年度、理工学部鈴木正客員教授のお手伝いで講義を行っています。秋学期については、「かながわ学」という領域横断的な教科の一部を担当し、主に人口減少・少子高齢社会における都市インフラの課題などについて数回にわたって講義を行う予定です。
( 関東学院大学 )

 

着実に進行する人口減少と高齢化

 日本の人口は、2010年の1億2,806万人をピークに減少に転じ、2060年には8,674万人へと32%減少し、高齢化率は23.0%から39.9%に上昇すると推計されています。人口減少・高齢化の進行にともない、都市インフラの新たなニーズや課題が生まれています。
( 内閣府 高齢化の現状 )

 

空家増加は地域の大問題

 人口減少にともない住宅需要が減少しており、空家が全国で820万戸、神奈川県内で49万戸と20年間で2.5倍以上に増加しています。空家問題は過疎地など地方だけではなく、人口が集中している大都市においても深刻です。空家が増加すると、①防災・防犯、②ゴミの不法投棄や害虫・害獣など衛生の悪化、③樹木や雑草による近隣環境の悪化など地域社会にとって深刻な問題となっていきます。

 

 

高齢社会に対応したバリアフリー化

 高齢者・障がい者に移動の自由を守り、快適な生活を送ってもらうためには、交通機関、市街地、公共施設等のバリアフリー化を進めていく必要があります。現状では、一日の平均利用者数が3千人以上の主要駅でエレベータ等の設置や段差の解消など整備されているのは全国で85%であり、神奈川県では94%です。また、市街地や公共施設のバリアフリー化も遅れています。これまで、国・地方公共団体で、バリアフリー化を推進してきていますが、今後ニーズはさらに高まっていきます。
( 公共交通のバリアフリー化 )

 

高齢者等の居住の安定のための住宅セーフティーネット

 単身高齢世帯の増加にともない、安定した住宅を確保することが困難な「住宅困窮者」が増加しています。また、住宅のバリアフリー化も遅れているのが現状です。公営住宅等を充実していくことも重要ですが、国や地方公共団体の財政には限界があります。民間の賃貸住宅を活用しやすくする家賃保証施策の充実など多様な対策が急務です。高齢者が安心して住み続けられる住宅セーフティーネットへのニーズはますます高まっていくものと考えられます。
( 住宅セーフティーネットについて )