【いさむの一言(6月17日)】与党で「骨太方針」・「成長戦略」について議論

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今後の経済財政政策の方向性を示唆する重要文書

 内閣・与党では、2019年度の「経済・財政運営と改革の基本方針」(いわゆる“骨太方針”)、「成長戦略実行計画」などの決定に向けて議論を進めています。内閣の経済財政諮問会議や未来投資会議での議論や与党の提言などを踏まえて、事務局が作成した原案を基に議論を重ねてきました。今週中にも、最終的な合意を得て、決定される見通しとなっています。
 「骨太方針」では、来年度の予算編成の基本方針を含めた今後の政府の政策の方向性を示唆しています。また、「成長戦略」は、中長期的な視点に立って、日本経済の成長力を高めていく経済・産業政策などの戦略を提起しています。いずれも今後の政府の政策の行方を決める重要な文書です。
(経済財政諮問会議)
(未来投資会議)

 

骨太方針のポイント:潜在成長力・経済好循環・全世代型社会保障

 「骨太方針」には広範な分野にわたる重要政策が数多く盛込まれています。その基本となる考え方は、①人口減少・少子高齢化が進行する中で潜在的な成長力を高めていくための人材の育成やIT等の投資の拡大、アジアをはじめとする海外からの活力の取入れ、②雇用者所得の増加を通じた経済の好循環の実現③「人生100年時代」を見据えた、子育て・教育、高齢者の雇用・福祉など全世代型社会保障制度への改革と拡充、の3点であると理解しています。こうした認識をベースに予算を編成するとともに、一貫性を持ちながら制度や規制の見直しを行っていく必要があります。

 

付加価値を高める企業経営の“質”の向上

 「成長戦略」にもさまざまな重要政策が盛込まれていますが、その中で注目しているのは、労働生産性の向上について、付加価値の増加と企業経営の“質”の改善を強調している点です。近年、日本の労働生産性は相当向上しているものの、先進7日か国(G7)中最低と低迷しています。労働生産性について、これまでは高コスト構造を改善するためのコスト削減に焦点を当てた議論が中心だったような気がします。「成長戦略」では、日本と欧米先進国の企業経営を比較・分析して、日本の企業は販売価格が低いことが主な要因であり、商品・サービスの付加価値を高める企業経営の“質”の改善が必要であると指摘しています。この論点は、以前から提唱してきたことであり、それを達成する政策の実行が必要だと考えています。