【いさむの一言(10月15日)】11月30日から相鉄線のJR乗入れ運行開始

579

通勤・通学の利便性が大きく改善

 11月30日に、相鉄線西谷駅から羽沢横浜国大駅(新設)を経由して武蔵小杉・渋谷・新宿方面への直通運行が開始します。相鉄線とJR貨物線を結ぶ約2.7キロの線路を新設し、既存の貨客線を活用するものです。これにより、二俣川駅から新宿駅までの所要時間が44分と約15分短縮され、通勤・通学の利便性が大きく改善されます。当面は、通勤時間帯には一時間当たり4本が運行予定です。延長2.7キロの少ない事業量で大きな効果を上げる効率的なプロジェクトです。
 計画決定から約20年、工事着手から約10年で事業が完成する運びとなりました。また、相鉄線の東急線への乗入れ事業は、2022年度下期の運行開始を目標に事業を進めています。相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線

 

新法に基づく「上下分離方式」で事業化が促進

 この事業は、2005年に自民・公明連立政権の下で「都市鉄道利便増進法」が成立したことによって事業化が可能になりました。
従来の鉄道事業は、線路等の保有と運行・営業を同じ公共団体等や鉄道会社が行う「上下一体型」が基本で、国・地方公共団体が事業費の一部を補助する仕組みになっています。
 この事業では、新法に基づき、線路・駅舎の整備・保有と運行・営業を行う主体を分ける「上下分離方式」という新しい制度を用いました。整備事業については、「独立行政法人鉄道・運輸機構」が主体となり、事業費は国及び地方自治体がそれぞれ1/3ずつ負担し、残り1/3を機構が市中からの借入で充当するものです。相鉄・東急などの鉄道会社は、線路等の施設の利用による便益に応じて利用料を機構に支払い、それを借入金の返済に充てるスキームとなっています。この新たな制度によって、鉄道会社は多額の事業費を実施時に調達する必要がなくなり、金利負担やリスクが軽減されます。また、複数の鉄道会社等の参入も容易になります。こうした制度を活用したことにより、事業実施が促進されました。
 この事業は、既存の鉄道施設を有効に活用する効率的な計画であるとともに、新たなスキームを採用したものです。今後の公共事業のあり方の参考の一助になるものと考えます。