【いさむの一言(10月30日)】防災・減災対策の抜本的な強化が必要

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台風15号・19号で甚大な被害

 台風15号・19号が相次いで首都圏を直撃、全国各地で甚大な被害が発生しました。神奈川県内でも、台風15号では高波による港湾施設の損壊や臨海部の工業団地で海水浸水など多くの被害が発生しました。台風19号では川崎市・相模原市・箱根町ほか各所で洪水・土砂災害が発生しました。
 被災された皆さまに衷心よりお見舞い申し上げます。関係者の尽力により復旧は確実に進んではいますが、まだまだ深刻な状況が続いています。一日も早い復旧・復興ができるよう努めてまいります。

従来の防災・減災対策では十分に対応できない

 今般の大災害では、これまでの防災対策では必ずしも十分に対応できなかった課題が数多く明らかになりました。
記録的な大雨では、これまで実施されてきた治水・治山対策が相当な効果を発揮はしましたが、多くの地域では堤防の決壊や中小河川・排水路の氾濫などで大きな被害が発生しました。また、鉄道・道路等の交通網や電気・水道等のライフラインも各地で破損し、依然として生活に重大な支障が生じています。

新たな防災・減災対策を集中的に実施するべき

 政府では、近年の災害の多発に備えて2018年に「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を策定し、約7兆円の事業費で防災・減災事業を集中的に実施しています。この「対策」に盛込まれている事業を確実に実施することです。その上で、従来の対策を抜本的に見直して、もう一段の対策の強化が必要になっています。
内閣官房「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」

 今後5~10年間程度の期間を定めて、毎年5兆円程度の規模で、防災・減災事業を集中的に実施する計画を策定するべきだと考えます。財源としては、特別枠の国債を発行することが一案です。当分の間は、国債の金利が低い状況が続くと想定されますので、そのメリットを活かすことできると考えます。
 治水・治山等のほか大地震も想定した抜本的な防災・減災対策を達成するためには、百年単位での超長期間を要します。ダムや堤防の整備でも構想から完成まで数十年かかるのが一般的で、それでは、効果発現までに年数がかかりすぎます。新たな計画は、防災計画を効果の大きさと効果発現の早さという基準からもう一度見直して、優先順位を明確にした上で実施するものとするべきです。また、その基準に則して、新規事業に着手するよりも実施中の計画や事業の早期完了を優先するべきだと考えます。