【いさむの一言(12月17日)】経済の好循環を通じて着実な成長をめざす

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政府・与党で「新・総合経済対策」を決定

 12月5日に「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」が決定されました。対策の3本柱は、①災害復旧・復興と防災・減災対策、②中小企業・小規模事業者の生産性向上や海外展開の支援、就職氷河期世代支援など経済の下振れリスクへの対応、③イノベーション推進、子育て支援や人材への投資、インバウンド観光客増加など将来にわたる成長力の強化だと理解しています。
 事業規模約26兆円、財政支出約13.2兆円で、2019度補正予算及び2020度予算に計上することとしています。また、この対策による経済効果は、GDPを概ね1.4%押し上げると推計しています。内閣府 経済対策

 

経済の安定と成長のために的確な施策を盛込んでいる

 最大の貿易相手国である中国経済の減速への懸念に加えて、さまざまな通商摩擦や各地での政治的不安定性が増す中、世界経済の不透明性が増大しています。日本としては、海外発の下振れリスクを注視し、着実な成長を続けていくために十分な備えをしておくことが重要です。 この対策に盛込まれているさまざまな施策は、当面の重要課題に適切に対応するとともに、中長期的に経済の成長力を高めていくために必要なものだと考えます。とりわけ、災害からの復旧・復興と国民の安全・安心のための防災・減災対策は当面の最優先事項であり、約7兆円を計上していることが評価できます。

 

経済の好循環達成には所得の向上が必要

 内閣・与党の財政・金融政策によって日本経済は着実に改善してきました。しかし、企業利益が増大し、中小企業も含めた企業の内部留保がかなり積み上がっている一方で、賃金水準は伸び悩み、雇用者数が大幅に増加したにもかかわらず所得の伸びは限定的です。その結果、消費は停滞気味で、経済の好循環が達成できていません。
 これまで、内閣・与党では経済界に対して賃金の引上げを働きかけ、税制・財政施策によるインセンティブも拡大してきました。今後さらに取組みを強めていく必要があるものと考えます。

 

最低賃金の継続的・計画手な引上げが有効

 賃金は基本的に労使間で自主的に決められることですが、政策的に影響を及ぼすことのできるツールの一つが最低賃金です。これまでも年率3~5%程度引き上げてきましたが、これからも継続的・漸進的に引上げていくことが重要だと考えます。最低賃金は新規就業者等の所得を向上させるだけでなく、賃金体系全般の改善を促し、所得の向上につながるものと考えています。